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脳梗塞とは

脳の血管が詰まることで神経障害

脳卒中とは、脳の血管に障害が起こり、それによって脳神経細胞が侵され、急激に麻痺やしびれなどの神経症状が現れる病気のことです。

脳はいわば神経細胞の塊で、全身のあらゆる機能をつかさどる中枢です。

血液によって酸素や栄養を供給され、その機能を維持しています。

ところが、脳の血管が詰まったり、破れて出血すると、その部分の血流が途絶え、神経細胞に酸素や栄養が届けられなくなります。

すると、神経細胞が壊死に陥り、その部分の機能が失われてしまいます。

脳卒中を起こすと、体を動かしたり、見る、聞く、話すといった機能に障害が出たり、後遺症が残るのはそのためなのです。

脳卒中は、出血性脳卒中(頭蓋内出血)と虚血性脳卒中(脳梗塞)に大きく分けられます。

出血性脳卒中には脳出血と、くも膜下出血の2つがあります。

虚血性脳卒中、つまり脳梗塞にはアテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞の3つがあります。

虚血性とは、血管が詰まることによって血流不足になるという意味です。

将来の患者数は300万人超

日本の脳卒中の患者数は、現在でも250万人以上いるといわれています。

さらに、高齢者の増加に伴い、2020年には300万人を超えることが予測されています。

脳卒中は、がん、心臓病に次いで、日本人の死亡原因第3位という怖い病気です。

さらに詳しく見てみると、脳卒中のなかでも脳梗塞は最も死亡率が高いのです。

かつての日本では、脳出血が非常に多く見られました。

しかし、近年では食事や生活習慣の欧米化に伴い、脳梗塞の危険因子となる糖尿病や脂質異常症(高脂血症)が増え、脳梗塞の患者数の増加に拍車をかけています。

脳梗塞の3タイプ。血管が詰まる原因が違う

脳梗塞には、血管が詰まる原因によって3つのタイプがあります。

アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞の3つです。

このうちラクナ梗塞が最も多く、次いでアテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症の順番ですが、最近の傾向としてアテローム血栓性脳梗塞が増えつつあり、ラクナ梗塞と同程度に発症していると考えられています。

アテローム血栓性脳梗塞 – 脳や頚部の太い動脈が詰まる

アテロームとは「粥腫」という意味です。

動脈硬化が進行すると、動脈壁にマクロファージ(白血球の一種)が集まって、血液中の脂肪を取り込み、アテロームになります。

アテロームがたまると動脈の壁がしだいに盛り上がって、血管内腔(血液の通り道)が狭くなります。

本来、動脈の内側は内皮細胞に覆われ、血液が固まらないしくみになっていますが、大きくなったアテロームは内皮細胞を破壊します。

すると、それを補修するために血液成分の血小板が集まって、血栓ができます。

その血栓が大きくなって、血管を詰まらせるのです。

このアテローム性の血栓は、脳の太い動脈や頚部の動脈にできやすいのです。

TIAは、このアテローム血栓性脳梗塞の前ぶれとして最もよく起こります。

心原性脳塞栓症 – 心臓疾患が原因で起こる

心原性脳塞栓症は、心臓病の増加に伴って急増しています。

原因となる心臓病には、心房細動や洞不全症候群などのほか、急性心筋梗塞があります。

また、心臓の左右を隔てる壁に孔が開いている「卵円孔闘存」という病気が関係しているケースもあります。

心原性脳塞栓症では心臓の中でできた血栓が頚動脈を経由して、脳動脈で詰まるので、急激に起こるのが特徴です。

また、心臓の中でできる血栓は大きく、脳の太い血管で詰まるため、梗塞も大きくなります。

そのため、突然発作に見舞われ、症状も非常に強く現れます。

さらに、脳動脈を詰まらせていた血栓が壊れて血流が再開すると、梗塞内に出血して「出血性脳梗塞」を起こすこともあります。

これにより症状が悪化することもあり、命にかかわることもあります

ラクナ梗塞 – 脳の細い血管が詰まる

ラクナ梗塞は、脳の細い動脈(穿通動脈)が詰まって、脳の深部に1.5m未満の梗塞が起こるものです。

ラクナ梗塞は、日本人に多く、脳梗塞全体の約35%を占めています。

日本人は、細い血管が動脈硬化になりやすい遺伝的な特徴があることも関係しています。

ただ、最近ではラクナ梗塞は減少し、欧米と同じくアテローム血栓性脳梗塞や心原性脳塞栓症が増えています。

ラクナ梗塞による症状はラクナ症候群といい、ほかのタイプの脳梗塞とは異なり、運動麻疹やしびれなどの感覚症状が単独で現れます。

また、最近、脳ドックの普及によって、症状がまだ現れていないラクナ梗塞が発見されるようになりました。

これを「無症候性脳梗塞」といいます。

「隠れ脳梗塞」とも呼ばれています。この段階で早期に治療をし、症状が出るのを防ぐことが大切です。

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